中古ゲーム販売OKで、実はさらに苦境に立った販売店の裏事情
いわゆる「中古ゲーム訴訟」の第二審が東京と大阪で結審しました。
予想通り、最高裁に持ち越される(?)わけだけど、第二審の結果は「WIPO著作権条約」にそった現実的な判断だったと思う。
結論からいうと、いずれの判決でも「中古ゲームの販売」が許可されたので、ユーザーは引き続き〝中古ソフト〟をこれまで通り買うことができる。
販売店も安心して販売できる……。
とはいえ、実際にはなんの変化もないというのが実感。

例えば、今回の判決を受けて、大手古書チェーン『ブックオフ』社長が「積極的に中古ゲームが扱えるようになった」とインタビューで公言していたけど、それができるのはやはり〝新品ゲームソフト〟を扱っていない店舗だからだと思う。
逆に、今後も〝新品〟も扱う中古ゲーム販売店は、やはりメーカーさんの顔色を伺わなければならず、思い切って、中古ゲーム販売に力を入れることができなくなったともいう。
例えば、取材で聞いた限りでは「某大手パソコン販売店」さんが、中古ゲーム販売から早々に撤退することを考えているそうだ。
というのは、メーカーの圧力で、今後最新人気タイトル(新品)を優先的に仕入れられなくなる可能性もあり……もしホントにそうなると商売にならないからだ。
実際いま現在でも「中古を扱っている店舗には人気タイトルを卸さない」と圧力をかけているメーカー・卸業者はあるというし、ゲームメーカー側が譲歩して「新しい販売ルール作ります」と改めて宣言したところで、日頃からメーカー営業に涙してきた販売店は〝茶番〟にしかみえないのだそう。
長年苦しんできた中古ゲーム販売店も意見がいろいろ
そもそも売り上げの一部をゲームメーカーに還元したい……とはじめに申し出たのは、中古ゲーム販売店側である。
もう何年も前のことだ。
それに対して〝交渉の席〟に一度も座ろうとしなかったのはゲームメーカー側。

CDレンタルで、ひと昔モメた音楽業界とはあまりに違う。
聞いた話だと、ゲームメーカーと中古ソフト販売店がはじめに交渉したとき、とあるゲームメーカー(いつか公表したい)が、中古ソフト販売店を〝ドロボー〟扱いして恫喝、まったく議論にならなかったという。
そのなか、販売店側も決して〝一枚岩〟ではない。
中古ゲームソフト販売に対して積極的な団体とそうでない団体があるのだ。
しかも中古ゲームソフト販売に積極的な団体である「ARTS」についても一枚岩ではないので単純ではない。
例えば、ARTSで「売り上げの一部をメーカーに還元しましょう」と団体内で訴えても、過去ゲームメーカー営業にさんざん泣かされてきた販売店はその方針に納得がいかないという。
特にファミコン時代からゲーム販売を行っている店舗では〝抱き合わせ商法〟に昔から困っていたからだ。
例えば、某国民的人気タイトル『○○』が欲しかったら『●●』もいっしょに仕入れてくれ。『●●(間違いなく売れない)』も買ってくれないと『○○』は卸さねーよ。
ああ、タイトル名をそのうち公表したい。
そう、過去さんざん脅されてきたという。
結果としてゲームソフト販売店は、仕方なく売れ残ること間違いなしの『●●』を何度も仕入れることに。
だから、これまで十分メーカーには協力・貢献してきたという意識もあるそうだ。また、そういった過去があるから、販売店側もなかなか意見が統一されないという。
果たして、今後どうなるのか。
個人的には、最高裁まで争うことになったのは、ゲームメーカー経営陣の傲慢だと思うけど、創造的破壊的な開発や宣伝に取り組んだほうがいいと感じる。
なかなか革新的な経営者が出てこないのも、旧態依然としたゲーム業界のいいところであり最悪なところでもある。


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